Ma Petite Brocante

フランスのブロカントで訪れた街、ブロカントで見つけたお気に入り、時々美味しい物も紹介します
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グラン・パレ Élisabeth Louise Vigée Le Brun展

9月からグラン・パレで開催中のマリー・アントワネットの肖像画を描いたことで有名な女流画家・Élisabeth Louise Vigée Le Brun (1755-1842)展に行ってきました。

パリで起こった同時多発テロの前日に鑑賞したのですが、しばらくはこういう人が多く集まる施設へ足を運ぶのは控えた方が良さそうです。

フランスでは今も誰もが記憶しているであろう衝撃的だった2012年トゥールーズ近辺で起こったミディ=ピレネー連続銃撃事件から、今年はフランス国内だけでもシャルリー・エブド襲撃事件、パリ南郊ヴィルジュイフの教会爆破未遂(近辺で女性一人射殺)、リヨン郊外ガス工場襲撃、タリス内発砲事件などが起こっており、しかも核搭載空母シャルル・ド・ゴールを中東に派遣という流れから、いつかまたどこかでテロが起こると予想し、心構え、覚悟はしていたつもりでした、とはいえ、怖さとショックでいっぱいです。

2012年の事件以来、銃弾の前には無力で些細な注意ですが、学校の送迎時には不審者・車はないか気を付けるようになったし、デパートや美術館、駅、ショッピングモールでは出入り口・非常口の確認、電車やメトロ内でも乗客を観察し、特に人の多いパリではスリもいるし周りをそれとなく観察し、自分が外国人であることをいつも念頭に置き、気を引き締めて歩いています。

リュクサンブール美術館で開催中の「フラゴナール展」もこの日行くはずが時間がなくて後日行くことにしたのですが、来年1月24日までの開催中に行けたらいいけど、全く行く気がしません。
残念なことですが、そういう場に出くわしたら自分では防ぎようがないし、もうどうしようも逃げ場がないと思うので、行くのを控えるくらいしか身を守る方法はありません。
人間はいつか必ず死ぬのに、殺人だの自爆だのとなぜ静かに平和に寿命まで待てないのでしょう。

とにかく今は犠牲者・遺族の方々のために祈り、危機感を持って行動する、そしてテロリストが生まれる原因となった背景(フランスとイギリスが都合の良いように中東に勝手に引いた国境線、アルカイダを生んだアメリカ、石油利権の為にシリアに軍事加入したフランス等々)と歴史、現状を正しく知り、理解する事が大事だと思うのです。







さてエリザベス・ルイーズ=ヴィジェ・ル・ブラン展、ヴィジェ・ル・ブランは1780年頃からフランス宮廷の人々の肖像画を描き始め、マリー・アントワネットお気に入りの画家となり、優しいまなざしで子供の姿を描き、フランス革命中はヨーロッパ各地の宮廷で肖像画を描いた女流画家。
多数の肖像画がテーマ別、時代別に見れる素晴らしい展覧会。





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Louise Élisabeth Vigée Le Brun, Autoportrait (1790)

マリー・アントワネット(左上にかすかに見える)の肖像画を描いている最中のセルフポートレート。
(35歳の時のだけど、若過ぎるような・・・?)
1778年から1818年までの40年間に37枚のセルフ・ポートレートを残しています。 

11歳で修道院を出た後、画家である父や、画家のジャン・バチスト・グルーズやユベール・ロベール(の肖像画も描いている)にアドバイスを受けています。
初めて絵の注文を受けたのは13歳の時。





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Marie Antoinette en robe à panier en satin blanc (1778) Musée d'histoire de l'art de Vienne

今回、ウィーン歴史美術館所蔵のこの絵が見たくて足を運んだのですが、多分2008年のマリー・アントワネット展(グラン・パレ)でも見てるはずなのに、やっぱり感動。
一度隣の展覧室へ行ってはまた戻って見る、を4回繰り返してやっと退室。





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優雅なドレスは今にも衣擦れが聞こえそうなほど現実味に溢れ、しかもかなり大きな絵(273x 193,5 cm)で迫力がある。






Marie-Antoinette et ses enfants(1787) Musée national des Châteaux de Versailles
左の大きな絵(275x215 cm)はヴェルサイユ宮殿にあるマリー・アントワネットと子供たち。

ヴィジェ・ル・ブランは、1778年~1788年までに約30点近いマリー・アントワネットの肖像画を描いており、王立アカデミー初の女性会員となったのもアントワネットとルイ16世の口利きによる。





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Marie-Antoinette « en gaule »1783
麦わら帽子に白いモスリンのガリア風(La gaule)ドレス姿のマリー・アントワネット。

原画は現存しないらしいけど、ヴィジェ・ル・ブランによる5枚の複製品がヴェルサイユ宮殿、プチ・トリアノン、ワシントンの美術館、ドイツの個人蔵などに現存してて、これはそのうちの一枚。
1783年の絵画展に出品されたが、王妃らしからぬ質素な衣装のせいで「ぼろをまとうほど落ちぶれた、オーストリアの姿をしたフランス」と落書きされたため、すぐに取り外されたいわくつきの絵。






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Portrait de Madame du Barry (1781) Philadelphia Museum of Art
ルイ15世の最後の愛妾、デュ・バリー夫人の肖像画。

1774年のルイ15世の死去により宮廷を追われた後、その後の愛人ド・ブリサック元帥(革命時のパリ軍司令官)の注文により1781年に描かれたもの。

デュ・バリー夫人はフランス革命が勃発してイギリスに逃亡していたのだけど、フランスに置いてきた宝石が気になって戻ってきた(と言われている)ところを逮捕され、1793年断頭台送りとなってしまった。

断頭台に登った多くの人々は諦めたかのように静かに刃の下に首を差し出したが、デュ・バリー夫人だけは泣き叫び、暴れて命乞いをした。
ヴィジェ・ル・ブランは回想録の中で、「多くの人たちが彼女のように必死で命乞いをしていたら、恐怖政治はもっと早く終わっていたかもしれない」と綴っている。





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Marie-Joséphine de Savoie(1753-1810) 
こちらはルイ18世の妃、マリー・ジョセフ・ド・サヴォワ。

この展覧会で思ったのは、とにかく額縁が豪華なこと。
額縁だけに焦点を当てて見ても面白いと思った。
絵を引き立たせるための洋服みたいなものだけど、地味目なこの妃の肖像画が立派な額縁で引き立てられている。







母性に満ち溢れたこの女流画家は、たくさんの子供や赤ちゃんも絵の対象にしている。






Auto portrait avec Julie , sa fille (1786) Musée du Louvre, Paris

ヴィジェ・ル・ブランと1780年に生まれた娘、ジャンヌ・ルイーズ・ジュリーの肖像画。





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Portrait de Jeanne Louise Julie Le Brun (1787)

娘・ジュリーが7歳の時の絵。
鏡を覗き込むジュリーがとっても愛らしく、鏡に写った表情も見える珍しい構図で、とても印象に残る絵。





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Jeanne Louise Julie Le Brun en baigneuse (1792)

こちらはジュリーが12歳の時のもの。
 




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ここからはフランス革命が起こってから、ヨーロッパの各国宮廷で描かれた肖像画。
とにかくたくさん残っています。

1789年10月5日、ルイ16世一家がヴェルサイユからパリのチュイルリー宮殿に連行された日の夜、ヴィジェ・ル・ブランはジュリーと共にパリを後にしてまずリヨン近郊のシャンベリーに逃げます。
このとき逃げていなかったら間違いなくギロチンに掛けられていたでしょう。

その後、11月にはローマに到着、イタリアに2年間滞在し、イタリアの宮廷人たちの肖像画を描いています。
髪型や衣装がやっぱりローマ風。
撮影不可の絵の中に、マリー・アントワネットそっくりなものがあったのですが、それはアントワネットの姉でナポリ王妃兼シチリア王妃、マリア・カロリーヌの肖像画でした。





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1792年にはオーストリア・ウィーンへ移住。

1795年にはロシアに渡り、サンクト・ぺテルスブルグの宮廷で肖像画を描き続けます。
多分この男性もロシア宮廷の人だと思うけど、なんだか写真よりも人間味があるというか、その人の性格までも滲み出ている気がします。

1802年から1805年の間はパリとロンドンを行き来し、1807年にはスイスへ。

マリー・アントワネットの肖像画と、娘とのセルフ・ポートレートしか知らなかったので、今回の展覧会でたくさんの肖像画の数(生涯で660枚描いたそうだ)に驚き、あちこち移動して描いていたことにも驚きました。






Auto portrait (1800) Hermitage, St. Petersburg
1800年、ロシアで描いたセルフ・ポートレート。

1809年、やっとフランスに戻り、ヴェルサイユにほど近いルーヴシエンヌに住みます。

1842年3月30日パリで亡くなり(87歳)、ルーヴシエンヌの墓地に埋葬。
フランス革命がなかったらここまで各国を転々としていなかったんでしょう、そうしたらずっとフランスにいてどんな絵が残されたのかも気になります。


展覧会は2016年1月11日までグラン・パレで開催。

Exposition Élisabeth Louise Vigée Le Brun
23 Septembre 2015 - 11 Janvier 2016
Grand Palais, Galeries nationales
3 Avenue du Général Eisenhower, 75008 Paris

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2 Comments

みき says..."No title"
Micaさん、こんにちは。
マリー・アントワネットの展覧会行かれたのですね!TVでやっているのを聞いてたぶん、行かれるんだろうなと思ってました。私は古いものは好きですが特定の人物とかには感情移入できないので歴史などもフランス語でいう、NULです!FRANCE2とかでやっている歴史番組は好きで見ますがすぐ忘れてしまいます。。
これからはパリに気軽に行けなくなりましたね。。行くにしても用心しようと思います。そう思ってたら、明日パリの義兄からお誘いがあり、カナル サンマルタンの近くで食事することになりました。事件のあったところへ行き突然に命を奪われた方々にロウソクを灯してこようとおもってます。
2015.11.29 00:00 | URL | #- [edit]
Mica says..."Re:みきさん"
こんばんは。
歴史は置いといてもこの展覧会、内容も数もとても充実してて良い展覧会でしたよ。 
風景画とかより肖像画に興味がある上に、マリー・アントワネットのもあって私には素敵な空間でした。
本当はもう一回行きたいくらい。
明日、パリに行かれるんですね、普通に日常通り過ごすことが大事だと思います、十分気を付けつつお食事楽しんできてくださいね。
以前オベルカンフに住んでたので、あの界隈がこんなことになるなんて二重にショックです。
パリで一番好きな区だから残念で仕方ありません。早く元通りのいい意味での活気あふれる界隈に戻ることを祈るばかりです。

2015.11.29 04:03 | URL | #- [edit]

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